2 and 20:成功報酬は運用報酬の控除後
あるファンドの期首価値が100、期末価値が120で、「2 and 20」の報酬体系を採用しています。総利益に成功報酬 (performance fee)を課す受験者は報酬総額を6.40と計算しますが、正しくは5.92です。運用報酬 (management fee)が期末価値を減らした後に、成功報酬の算定基礎を求めるためです。
二つの報酬は実際に何に課されるのか
名称から料率は分かりますが、二つの報酬を同時に課すわけではありません。料率は簡単です。算定基礎はそうではありません。この問題で使う慣行では、運用報酬率r_mは期末価値に適用します。成功報酬率pは、その報酬とハードル調整後に残る適格利益だけに適用します。似た名称でも算定基礎は異なるため、両方の料率を同じ総額に掛けると、報酬額をひそかに過大評価してしまいます。
Management fee = Ending value × r_m
Performance fee = max{0, [Ending value × (1 − r_m) − Beginning value × (1 + hurdle rate)] × p}
max関数により、調整後の結果が必要水準を超えないとき、成功報酬がマイナスになることを防ぎます。さらに重要なのは、式が運用報酬の入る位置を示している点です。運用報酬は、適格利益を期首価値およびハードルと比較する前に期末価値を減らします。
ハード・ハードル (hard hurdle)とソフト・ハードル (soft hurdle)では報酬が異なる
ハード・ハードルでは、成功報酬を基準値を超えた利益に限定します。したがって、ファンドがインセンティブ報酬 (incentive fee)を課せるだけの収益を上げていても、ハードルによりpの対象額が減ります。
ソフト・ハードルは、代わりに発動条件として機能します。純利益が基準値を超えると、成功報酬はハードルを超えた部分だけでなく、純利益全額に適用されます。二つのファンドが同じ基準値を超えても、「ハード」と「ソフト」では報酬算定基礎に関する問いが異なるため、支払う報酬も異なり得ます。「ハードル」という語だけでは、契約情報として不十分です。
この短い形容詞は契約条件であり、飾りではありません。問題では主要な報酬条件の後に続く節に埋め込まれることが多く、pの対象となる利益額を決めるにもかかわらず、二次的な情報に見えることがあります。受験者は基準値を超えたことを正しく確認しても、適格性と報酬算定基礎を別々に判断できず、誤った報酬を計算することがあります。
100から120になる例を解く
ファンドは100で始まり、120で終わり、ハードルなしの「2 and 20」を課します。運用報酬を期末価値から差し引いた後、残った金額のうち期首価値を超える部分を成功報酬の計算に使います。
Management fee = 120 × 0.02 = 2.40
Performance fee = (120 × 0.98 − 100) × 0.20 = 17.60 × 0.20 = 3.52
Total fees = 2.40 + 3.52 = 5.92
総利益は20ですが、この設定では成功報酬の算定基礎ではありません。その利益に20パーセントを直接課すと4.00となり、次のよくある誤答が生じます。
Incorrect total = 2.40 + 4.00 = 6.40
クイックリファレンス
| 問題文の表現 | 何を定めるか | 見落とした場合のリスク |
|---|---|---|
| 期末価値 | 運用報酬の算定基礎 | 代わりに期首価値を使う |
| 期首価値 | 運用報酬の別の算定基礎 | 代わりに期末価値を使う |
| ハード・ハードル | 基準値を超えた利益だけが報酬算定基礎に入る | 純利益全額に報酬を課す |
| ソフト・ハードル | 基準値を超えると純利益全額が報酬算定基礎に入る | 超過部分だけに報酬を課す |
「2 and 20」という表現が示すのは料率であり、契約全体ではありません。問題では、運用報酬の算定基礎を期末価値から期首価値へ変えたり、ハードルを追加したり、ハイウォーターマーク (high-water mark)を導入したりできます。どの場合も、表面上の料率が変わらなくても異なる結果になります。選択肢にはこうした契約解釈の違いが反映されることが多いため、問題文の条件を誤って読んでいれば、計算自体が正しくても答えは誤りです。
同じ曖昧さは、ポートフォリオリスクの計算にもあります。どちらの罠でも、馴染みのある入力値を見ると、指標の実際の算定基礎を特定する前に単純な計算を始めたくなります。
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